マンションの大規模修繕工事の始め方

マンションの大規模修繕はマンションの将来を左右する

マンションは竣工から12〜13年経過すると大規模修繕工事を行ないます。

そのために、購入当初より修繕積立金を積み立てています。

マンションの修繕積立金は、マンションの管理費と並んでマンションの費用の過半を占めています。

大規模修繕工事をどのように考え、いくら費用をかけて実施していくのか、
それによってマンションの将来は大きく変わってきます。

マンションの修繕工事にお金をかけすぎて、将来の修繕積立金が不足する事態になれば、
2度目3度目の工事が実施できません。実施するためには工事費用を一時金として
住民が負担することだって必要になります。

年月を経るほど居住者の年齢は上がりますので、入居から25年〜30年を経過すると、
多くの人は年金受給者となっており、工事費用を負担することは難しくなります。

マンションの大規模修繕工事の意義

修繕積立金は、マンションによって違いはありますが、
月々5千円〜2万円くらいの金額で払っていると思います。

過去に色々調べたところでは、1万5千円くらいが相場というデータがありました。
仮に月額1万5千円だとすれば、30年間払えば1戸あたり540万円にもなります。

それだけ、マンションの修繕は大がかりなものだということです。

でもよく考える必要があるのは、

大規模修繕工事というのは「絶対やらなければならい工事」というものが決められていない

ということです。

マンションの造りにもよりますし、マンションの住民がどのように考えるかで、
どのような工事をどのレベルまでやるかを決められるのです。

もっと正しく言えば、
自分たちで責任をもって決めないといけない
のです。

そうでなければ、大規模修繕工事を担当する管理会社やゼネコンの
言いなりの工事となり、無駄を含んだものになりかねません。

無駄はすなわち「自分たちが払うお金」に跳ね返ってきます。
つまり修繕積立金の値上げが必要になります。

永く住むためには、マンションがきちんと維持されていくことも必要ですが、
併せて住民支払っていける修繕積立金に抑えられるように、
しっかりと見極めていく必要があります。

マンションの大規模修繕工事を行う最大の目的とは

マンションが実施する大規模修繕工事の最大の目的は何でしょうか。

老朽化した設備を復旧させ、住みやすさを維持し、また資産価値を維持・向上する
ということはよく言われることです。

そう考えると、きちんとお金を出して、

「傷んだところは直していかないといけないんだ」

と捉えがちですが、

傷んだところをお金をかけて当初の設備の状態まで普及を目指すのかどうか
資産価値を維持・もしくは向上することにお金をかけるのかどうか

マンションの住民間でしっかりと吟味する必要があります。

その観点で、大規模修繕工事を実施するときは、理事会や修繕委員会は
次の観点でマンションのことを考える必要があります。

  1. マンションの老朽化状態の把握し、状態が良くないものは防止する
  2. 住民間でマンションの資産価値維持に対する、どこまで投資するのか共通認識を持つ
  3. 住民の手による修繕計画を立案し、修繕積立金の積立計画を見直す

大規模修繕工事に取り組む第一歩は核になるメンバーを作ること

大規模修繕工事に取り組むには、自分たちのマンションの価値をどう維持していくのかを
自分たちで決めようとする人たちが必要です。

そのような
核になるメンバーが数名集まることから始める
必要があります。

それは大がかなりなことではありません。
「あなたがその一人目となること」
です。

まず一人が声を上げ、それに賛同する人を増やす、それが必要な第一歩です。


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競争入札で決定した管理会社のできばえ〜初年度の結果

2013-01-24 / マンション管理 / 0 Comments

2年目の更新が決定!

1年ほど前のマンション管理組合の総会で、新しい管理会社に契約を切り替えることが決定しました。切り替えの一番の目的は管理委託費のコストダウンです。その経緯は下記にまとめてあります。

マンション管理費削減3年越しの活動 (4)
マンション管理費削減3年越しの活動 (3)
マンション管理費削減3年越しの活動 (2)
マンション管理費削減3年越しの活動 (1)

さて、その切り替えから8ヶ月が経過して、契約を更新するかどうかが総会の一つの議案となりました。結果は文句なしの更新となりました。年間一千万円強の管理費会計の大幅改善を実現した管理業務委託の更新ですから、さすがに反対する意見は全くありませんでした。

しかしながら、私は管理の質はどうなのかが気になっており、ここ数年連続して監事を務めている人に聞いてみました。「今回の管理会社はどうですか?」と。彼曰く、

しっかりやってくれていると思います。反対に、良すぎて理事が頼りっぱなしになってます。

これは私には素直に嬉しいものでした。
このマンションには管理費会計のコストダウンが必要で、管理会社を変えるかどうかにかかわらず、年間数百万円規模のコストダウンを目標にしていました。ですが、通常大幅にコストダウンすれば犠牲になるものもあり、肝心の管理能力が落ちるのではないかという懸念があったのです。それを払拭してくれたコメントに努力が報われた思いでした。

コンサルタントのアドバイスを味方に一歩を踏み出しましょう

これも、実行を支援してくれたコンサルタントの助言のお陰です。

「(旧)管理会社のこの委託費どのくらい安くなりますか?」
「管理会社や業者の決め方は、これでいいですか?」
「こんな安い見積もり額ですが、ちゃんと仕事してくれるでしょうか?」

さまざまな疑問がありましたが、ひとつひとつ経験に裏付けされたアドバイスをくれましたし、そのことが良い結果に結びついたと思います。コンサルティングをお願いした株式会社シーアイピーの関係者の方には改めて感謝したいと思います。

管理費のコストダウンに悩んでいる管理組合の方は多いと思います。
思い切って一歩踏み出してみたらどうでしょう?

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2012年の修繕委員会活動のスタート

2012-02-22 / マンション管理 / 0 Comments

新年度の修繕委員会がスタート

マンション管理組合の修繕委員会の今年の活動をスタートしました。理事会役員の任期が1月〜12月のため、委員会も1月より新たに始まりました。

毎年、居住者より修繕委員会への参加を募り、その年の修繕委員会を組織します。今年は残念ながら委員数が4割減ってしまいました。

修繕委員会を設立して4年目。昨年は管理委託費を41%削減することに成功し、活動に一定の区切りを付けたことが大きいかもしれません。
残念なのは、昨年新たに加入した委員が1年で辞めてしまい、継続してもらうことができなかったことです。ある程度活動が軌道に乗っていて、そこに加わって活動していくことにハードルの高さを感じてしまったのかもしれません。

結局、今年も活動に参加してくれるのは、初年度からの委員と、新たな1名のみとなりました。とはいえ、がっかりはしていません。今年は、数年後に控えた大規模修繕のための活動を始める年になります。大規模修繕にかかる費用は、私が住む200世帯弱のマンションでは、1億円を軽く超える金額になるものと予想されます。マンションの品質をどのような修繕内容で実施して維持するのか、いくらのお金をかけて実施するのか、どのように工事内容を担保するのか、など考えることはたくさんあります。それによって、できあがりの品質に差が出ますし、何千万円というコストの差になって現れるので、しっかりと取り組んでいくべきですし、その価値はあります。

マンション10年目の活動テーマ

大規模修繕には通常2年ほどの準備期間が必要と言われています。実施時期が13年目〜15年目の間と考えると、10年目に当たる今年はまだ入口の前。もちろん、大規模修繕に向けて準備する大事な年だとは思っていますが、だからといって大規模修繕だけに集中する年でもないと思っています。それだけに、他にでやるべきことがあればやりたい気持ちがあります。

そのひとつは、マンション住民同士のイベントを企画することです。私が住むマンションは30代が購入層の中心だったのですが、10年経過し年齢の中心は40代〜シニア世代に移りつつあります。マンションにはいまひとつ住民主導の活動が少なくて、もう少し住民がみんなで楽しめる行事があってもいいのかなという思いがあります。

数年前まで開催されていた懇親会も、ここ2年は開催されなくなりました。子供向けに、七夕とクリスマスの飾り付けが唯一行われているイベントです。大げさなことでなくても良いので、大人が交流する場を設けられたらよいのではないかと思っています。

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マンション管理費削減3年越しの活動 (4)

2011-11-03 / マンション管理 / 0 Comments

いよいよ書類選考、最終選考が終了

管理委託費削減を目的として、管理委託の仕様を確定し、その仕様をもとに管理会社の見積が始まりました。総合管理会社の応募は全13社です。都内から1時間半、横浜からでも電車で30分はかかる立地ですので、どれだけの応募があるかは未知数でしたが、当初の応募は21社、仕様等を見て後に辞退した会社があり、最終的に13社でした。それでも選定に困るくらいの数でした。

まずは書類選考です。13社の見積が一覧表として提示されました。この中からどうやって決定していくかというと、

  • 金額
  • 会社概要(規模や担当管理組合数、離職率等)
  • 管理組合が抱える課題に対する提案
  • 現地視察をした担当者からの改善提案
  • 管理会社に対する過去の対応実績(コンサルタント会社の知見)
  • 個別に要望した情報(我々は近隣にある担当物件情報を依頼)

等によって絞込みをしていきます。

我々の場合、現行の管理会社1社と他に3社を選定し、計4社で最終選考に進みました。

最終選考では実際の担当者が来て質疑込み50分で面接をします。実際に担当する予定の人がプレゼンをするわけですから、その人の人柄や仕事のやり方などを判断していきます。

このような段階を経て、いよいよ次年度に委託する候補会社が決定しました。
(総会で承認されて初めて決定となりますので、現時点ではまだ候補会社という位置づけです。)

結果はというと、総合管理会社への委託費は、1000万円強から500万円弱と55%も削減できました。
また、日常清掃、定期清掃、エレベータ保守、植栽、排水管清掃など各種業務も見なおした結果、トータルで43%、金額にして1000万円以上の値下げができました。費目別の削減率、管理費会計全体の削減率は下記のグラフのようになりました(クリックすると拡大します)。

委託費削減コンサルタントの作業

今回の我々の削減作業は、専門のコンサルタントに頼んでいます。そのコンサルタントを選ぶのに、3社を選んでプレゼンを聞いて住民で選択しました。我々が選んだのは3社の中でも最も費用が高い企業でしたが、実行力に強い信頼が置けたことが選択の理由でした。

コンサルタントが実施するのは次のことです。

  1. 管理委託仕様書の作成
    コンサルタントが独自に作っている管理委託仕様書をもとに、我々のマンションにあった仕様に作り直します。通常書かれている仕様に比べ、圧倒的に記述が詳細になります。仕様書として数倍のボリュームになります。これにより、質が高く詳細な委託仕様書になります。
  2. 見積取得
    上記委託仕様書に基づいて多数の業者に見積を依頼します。我々が委託したコンサルタントは、業界新聞での告知、現行の請負業者を含む業者への直接連絡等を行うことにより、多数の業者が見積に参加します。見積にあたっては、現地視察を行います。またこの時、各業者に対しマンションに対する提案書の提出も依頼します。
  3. 書類選考
    上記に書いた、見積書、提案書、会社概要、近隣の担当物件、等の資料を作成し、居住者が集まって決定していきます。管理委託会社であれば3社程度を選定します。
  4. 最終選考
    書類選考で勝ち残った業者がプレゼンをし、住民が最終決定します。

このようなステップで進んでいくのです。

この間、実際にマンションの管理組合がやるべきことは、コンサルタントとの打ち合わせと選考会への参加です。我々が費やした時間は、

  • 打ち合わせは1回2時間が3回程度で計6時間
  • 書類選考が4時間
  • 最終選考は7時間

でした。作業全体は膨大ですが、ほとんどのことはコンサルタントがやってくれます。

管理組合は僅かな作業で、大きな効果を得ることができます。そこにコンサルタントの価値があります。

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マンション管理費削減3年越しの活動 (3)

2011-09-10 / マンション管理 / 0 Comments

マンション管理組合の管理費会計の支出は修繕積立金に匹敵

マンション管理組合の会計は、通常「管理費会計」と「修繕積立金会計」の2つによって成り立っています。「管理費会計」は毎年のマンションの支出を支えるためのものであり、「修繕積立金会計」は将来の修繕費の積み立てが行われます。

過去2回に渡って話してきたことは、長期修繕計画の内容に関するものですが、それはすなわち「修繕積立金会計」に関するものです。長期修繕計画を見ると何千万〜億単位の高額な費用が並ぶ大規模修繕費に目が行ってしまいがちですが、実は「管理費会計」にもそれに匹敵する高額なお金が支払われています。当マンションの入居開始年から20年間の各会計の支出を合計すると次の図のようになっています。

この図の通り、20年くらいの長期で考えると、管理費会計も修繕積立金会計と同程度の金額が必要になることがわかります。
修繕積立金会計の支出の大半は大規模修繕ですから、工事の内容や質を吟味したり、競争入札で費用を下げる可能性はあります。しかし、管理費会計は管理会社への委託費、光熱費などほとんどが固定費となっていて、管理会社と値段交渉をして値下げしない限り、ほぼ毎年同じ金額で契約が更新されていきます。

換言すれば、

管理委託費や光熱費などを一度削減すれば、将来にわたり支出を削減できるため、マンションの総支出を削減するには効果が大きい

ということです。

マンションの管理委託費の削減にはまず意識改革から

私が住むマンションが支払う管理会社への委託費は年額約2,000万円です。エレベータの保守契約やその他の費用を含めると年額3,000万円を超えます。これを何とか下げたいと思いつつそれはできないことだと思っている人が多いと思います。実は私もその一人でした。

それは、

マンションの管理組合が管理業務を委託している管理会社は、
「そのマンションに住むために当初より決まっていることであり、その費用はそこで生活していくために必要な、税金のようなものだ」
という誤解をしている人が多い

からだと思います。
これは本当に誤解です。

マンションの管理組合は、毎年大金を払って管理委託会社に仕事を発注しているのです。管理組合が議案を提案し、総会で承認を得た上でその管理会社に仕事をお願いしているのです。つまり、

自分たちは高額なお金を払って委託している発注者だという自覚を持ち、少しでも安くて質の高い仕事をしてくれる業者を選ぼうという気持ちを持つことが必要

なのです。

マンション新築販売時の管理委託費は高い

意識を新たにしなければいけないのは、

マンション管理組合が設立された当初に決まった(決まっていた!)管理会社への委託金額は、市場にある多くの管理会社の水準に対し、不当に高い可能性がある

ということです。

それはどうしてでしょうか?

その値段がどうやって決まったかを考えるとわかります。マンションの販売会社が管理を委託する際に、関連子会社の管理会社に委託します。関連子会社の管理会社は、親会社がマンションを作っては仕事をくれるので、がんばって仕事を取る必要がありません。他の管理会社と競争する必要がありませんので、値段を安くしたり、必要以上に仕事の質を高めなくても、仕事が降ってきます。だから、値段は安くありません。もちろん、この管理委託費用はマンションを売る際の管理費に反映されますので、管理費の世間相場の影響を受けますが、同業他社と相見積もりで戦うようなことはありません。

しかも、その委託費用は、マンション販売時に事前に説明された「管理費」として1戸あたりの月額費用に割られているので、購入者は管理委託費が高いか安いかあまり実感がわかないのです。仮に同クラスのマンションの管理費が12,000円で、自分が買ったマンションが3,000円高い15,000円だとしても、15,000円なら払えるな、とか少し高いかなとしか考えません。

しかし、戸当たり3,000円の差であっても、マンション全体で管理会社に払うお金は、200戸のマンションであれば、年額で
  3,000円×12ヶ月×200戸=720万円
も違いが出るのです。

お金を払うのは居住者個人ですが、管理委託会社と契約するのは管理組合なので、一人二人が不満を持っても全体としてはどうにもならないという、管理組合の仕組み上の弱さのためにこのようなことになります。

マンションの管理委託費は安くなる!

日本には500社程度の管理会社があります。地方都市の場合はわかりませんが、関東近郊であれば自宅マンションが商圏内にある管理会社は少なくとも10社程度、都内なら30社くらいはあるようです。

この多くは、マンションの販売会社とは全く無関係であり、それはすなわち自分たちの力でマンション管理の仕事を取ってこなければならない会社だということです。すでに管理会社が決まっているマンションの管理組合から仕事を取るわけですから、値段が安く質の高い仕事をしなければなりません。このような会社に仕事を頼めば費用はぐっと安くなるのです。

では、その10社〜30社ある管理会社のどこに頼めば良いのでしょうか?1社や2社良い管理会社を知っていてそこに頼む場合は別として、

管理委託費を大きく削減しようと思うなら、管理会社の選択には手間とノウハウが必要です。

私は自分の経験から、ここから先は専門家に頼んだほうが良いと思います。専門家とは、管理委託費の削減を専門とする会社です。
この専門家は本当に頼りになります。次回は彼らの仕事内容について説明します。

(さらに次に続く)

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マンション管理費削減3年越しの活動 (2)

2011-09-04 / マンション管理 / 0 Comments

大規模修繕は外壁工事だけではない

直近の長期修繕計画の中で、高額な費用が見込まれていた機械式駐車場の費用については見直しが進み、一旦計画し直しできたことは前回のブログでお話しました。
次は、長期修繕計画の本丸である、大規模修繕について手をつけることにしました。築後10年〜15年くらいの間に第1回目の大規模修繕を行うことになっているマンションがほとんどだと思います。大規模修繕というと外壁の修繕のことと思われがちですが、実際には下記のような多岐に渡る修繕が必要です。

  • 外壁等修繕
  • 屋根防水修繕
  • 床防水等修繕
  • 鉄部等塗装
  • 共用部修繕

私が住むマンションの長期修繕計画から各修繕の金額ベースの配分を算出すると、下記のグラフのようになっています(クリックすると拡大します)。

当マンションでは、これらを総合すると総額は3億円を超えました。
この金額が高いのか安いのか、どのようにして計れば良いのでしょうか。

大規模修繕の費用見直しはタイミングが必要

では、この3億円という金額が妥当かどうかをどのように調べるか、これはかなり大変な作業となります。
結論から先に言えば、

大規模修繕を実施するのに適した時期が来ないと、正確な金額を見積もることはできない

ということです。
大規模修繕の工事費見積もりは、適切な業者を選べば実施することができますが、難しいのは、

  • どのように修繕するかを仕様にしないと正しく見積もれない
  • 大規模修繕の時期より早く見積もりすると、傷みが少ないために実際の工事の時期に必要となる修繕費用より少なくなる

という問題があることです。
長期修繕計画を引きたくて早めの見積もりをしようにも、適切な金額を割り出せない可能性が高いということです。

大規模修繕費用の概算費用を計る手段はある

では、長期修繕計画の大規模修繕費用が概ね適正なのかどうかをどうしたら知ることができるでしょうか。
何人か修繕の専門家に話を聞くと、その大規模修繕費用の概算を見積もる彼らなりの経験値がありました。

それは、

大規模修繕の概算を知る目安として、

  1. 1回目の大規模修繕では戸あたり100万円で計算する(この金額は上限と考えて良い)
  2. 関東地方の修繕積立金月額平均額は、1平方メートルあたり150円である

という参考値を利用することです。

1の参考値を使うと、200世帯のマンションであれば、大規模修繕の費用は100万円×200戸で、最大2億円くらいと見込めます。
また、2の参考値を使うと、80平方メートルのマンションでは、80平方メートル×150円/平方メートルで12,000円が月額の修繕積立金の目安となります。

これらより算出される金額は、そのマンションの大規模修繕費用の参考値に過ぎないものですが、多くのマンションの実績から算出された現実の値ですから、ひとつの基準として参考にする価値は十分にあります。

こうやって参考にしたとき、我々のマンションの

第1回大規模修繕費用:長期修繕計画の3億円強に対し1億8千万円

最終の修繕積立金月額:長期修繕計画の2万3千円に対し1万2千円

と算出され、やはり現在の長期修繕計画は割高と言わざるを得ませんでした。

これらの結果から、おおよその基準として、大規模修繕費は長期修繕計画の2/3から半額になるのではないかと考えられたのです。

(さらに次に続く)

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マンション管理費削減3年越しの活動 (1)

2011-08-20 / マンション管理 / 0 Comments

3年の振り返り

私が住むマンションでは、今年いよいよマンションの管理委託費削減に取り組みます。年額3500万円ほどの管理費会計を1000万円ほど引き下げようという目標で進めています。今年の12月には結果が出ていることと思いますが、ここに至るには3年かかっています。それを振り返ると次のような道筋でした(絵をクリックすると拡大します)。

マンション長期修繕計画に愕然とした2年前

私が自分のマンションの理事長を務めたのが2年前です。マンション管理組合の理事長と言えば、多くの人はやりたくないと考えていますし、私もその中の一人でした。
誰もやりたがらないといっても決めなければいけませんし、かといって単なる抽選で決めるのは良くないと考えた前年度理事長は、なぜか私を指名する事態となり、渋々引き受けたような状態でした。それでも、ただひとつ思ったことは、

どうせやるなら楽しくやろう
きっと自分の身になることが何かしらあるはずだ

と、そういう思いでした。その思いでやった結果、翌年以降マンションの管理費会計・修繕費会計の健全化の活動につながっているのですから、不思議なものです。

日々の理事会業務は新しいことばかりで、居住者の不利益になっていないか考えながら判断する日々でした。その1年間の中でどうしても納得できず実施できなかったことがあります。

それは、

長期修繕計画に基づいた「修繕積立金」の値上げ提案
戸当たり平均4,500円ほどの修繕積立金をまず2倍の9、000円に、その後徐々に値上げし最終的には23、000円とほぼ5倍に値上げしないといけないという計画

でした。

値上げの要因となっている修繕費のうち、一番高額なのは3億円超の見積額になっている第1期大規模修繕ですが、そのほかにも入居前に説明を受けた長期修繕計画にはなかった、総額1億6000万円にも及ぶ機械式駐車場のメンテナンス費用が新たに含まれていたのです。

この金額には驚きを持って見るしかありませんでした。

長期修繕計画の妥当性の検証からスタート

修繕積立金の値上げ案を検討しなければならない状況でしたが、その長期修繕計画の妥当性を判断するだけの知見は持ち合わせておりませんでした。妥当性が判断できないのに、値上げ案を居住者に示すことなど到底できない相談だと私は考えました。何せ、自分で説明できない議案を通すことになるのですから。

やむを得ずその年の値上げ提案はあきらめ、翌年長期修繕計画の中身を精査してから改めて提案しようと考えました。しかし、理事会の中で検討しようとしても自分が理事を再任すれば両方やるのは時間的に難しくなります。そのため、「修繕計画検討委員会」を理事会の諮問機関として立ち上げることにしました。

そうして翌年正式に「修繕計画検討委員会」を発足させ活動を開始しました。まず困ったことは、修繕計画の妥当性をどう判断するかでした。修繕計画を見ると高額な金額は2つあります。

  1. 機械式駐車場の保守費用
  2. 大規模修繕費用

まずは機械式駐車場の保守費用の妥当性検証

そこで、まずは直近に行われる予定の「機械式駐車場の保守」に焦点を当て、この金額の見積根拠を調べたい旨を管理会社にぶつけました。彼らはすぐに「機械式駐車場の保守」を担当する会社に連絡し担当者が説明に来ました。

知らないなりにいろいろ聞いてみると、必ずしもそこまでの金額は必要ではなさそうだということが見えてきました。一番大きな問題だったのは、

20年目には全パレット(機械式駐車場の車体格納庫)を全台交換しなければならない

というものです。1台数百万円のするものを交換するのです。しかも、単なる「鉄製の箱」にも関わらずです。電機部品や機械部品などは日々交換されるので、この費用の中には含まれません。

このパレットの交換がどうしても必要なのかと話を進めていくと、実は

「(その会社の事例として)20年目で交換した例はない」

と言うではないですか。どうしてか。それは鉄製の箱は20年くらいでは交換の必要性がないからです。

では見積から「全パレット交換」をなくしてくれというと、「会社の規定でそれはできない」というのです。つまり

会社の方針として「20年目での全パレット交換を見積に入れるようにしている」

というのです。本当にひどいものです。

私のマンションの場合、機械式駐車場のパレットは屋内にあるため、さらにさびたり壊れたりする可能性は減っていると思われます。
とはいえ、20年目の交換は不要だとしても、パレットが永遠に稼働するとは言えないことと、さらには電気自動車の普及や自動車の小型化が進むなどの理由で、パレットそのものを時代に合ったものに変えなければいけないことは予想しました。

その結果、今回の修繕計画としては、

20年目のパレット交換を見送り、30年目にパレット交換することに計画を変更

しました。

(次回に続く)

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マンション管理委託費削減コンサルタントの選定結果

2011-02-11 / マンション管理 / 0 Comments

マンション管理委委託費削減活動のスタート

私が住むマンションでは、毎年管理会社に支払う管理委託費削減を目的に、今年マンション管理士にコンサルタントをしてもらうことになっています。そのための選定会を居住者参加のもと実施しました。

管理委託費の削減というのは、特に新築時から管理委託会社が変わっていないマンションでは、当初より委託内容が過剰な仕様、一般よりも高額な契約内容になっていることが多く、それを競争原理を用いることによって削減しよう!という活動です。このあたりは、マンション管理費・修繕費圧縮の3つのポイントという内容で昨年の活動を整理しています。

マンション管理士3社の競合

マンション管理士3社?3者の間違いでは?と思われるでしょうが、それぞれ企業ですので3社と書きました。
今回、どのようなを選定してきたかといいますと、

  • A社:マンション管理委託費削減の元祖とも言える実績豊富な会社
  • B社:メディアにも取り上げられた、マンション住民の幸せを願う若手マンション管理士の会社
  • C社:実績は少ないが、修繕などハード面にも詳しいマンション管理士

協力先を探すに当たって、大事にしたことは、

  • 施工会社やマンション販売会社、マンション管理会社から独立していること
  • マンション管理に精通していて、管理会社と対峙できるだけのノウハウを持つこと

でした。

これら3社が示した管理委託費の削減額は、当初われわれが想定していた金額よりはるかに大きく、

どれだけ高いお金を払わされているか

を実感させられる結果でした。
実際の削減見込額を比較してみると、

会社 削減額 削減割合 報酬
A社 約1000万円 38% 約1300万円
B社 約700万円 26% 約300万円
C社 約600万円 22% 約80万円

当マンションが選んだのは”実行力!”

さて、当日3社の説明を聞いた人だけが投票権を持ち、実際の選定に投票できることにしました。
3社の話を聞いたのは、マンションの世帯数のちょうど1割でした。この比率を多いと見るか、少ないと見るかは意見が分かれるところでしょうが、私には熱意のある人がこれだけ揃ったのは嬉しいことでした。

投票の結果、選ばれたのはA社でした。なぜかといえば、

  1. なんといっても、削減額が一番大きい。
  2. 実績が豊富で実行力は信頼できた。
  3. 削減の手法が明確、かつ具体的だった。
    仮に同じ管理委託会社を選定することになっても、A社が一番安くなるのではないかと期待できた。

私は、「居住者は余り高い費用を払いたいと思わないだろう」と思っていたので、おそらくコストの小さい会社が選ばれるかなと予想していました。ですから、3社の話を聞いた居住者の多くが、

「きっちりと高い効果を出してくれるなら、高いお金を払ってもよい」

と考えた、という結果になったことは驚きでした。

3社とも本当にみなさん個性あり実力ありで、ひとつに決めることは難しく思えました。見積もりの金額からいえば、3社の削減額に差はありますが、投資コストを考慮し、実行して満足のある結果を得られるのはどこか、を考えたとき、A社がわずかに抜きんでていました。
これがもし、「いっしょに働いたら楽しい会社は?」とか「長くつきあえそうな会社は?」といったことが判断基準になれば、違う結果になったでしょう。この方針は投票の前にある程度確認しておくことが大切です。

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「電気自動車対応」マンション

2011-01-16 / マンション管理 / 0 Comments

電気自動車の充電器付き分譲マンション

1月12日(2011年)の日経新聞の夕刊の1面に、「電気自動車対応マンション競う」と題した記事が載りました。記事によると、

大京は2011年度に首都圏で開発する約70の物件には、駐車場の1割前後の区画に充電器を備え付ける

(日経新聞 2011年1月23日(水曜日) 夕刊)

というものです。

自宅マンションの将来について考えたときに、いずれ電気自動車を充電するための設備を新たに設置していくことが必要になるだろう、と漠然と考えていましたが、この記事を見ると本年にも充電設備を備えたマンションが出てきそうです。

既設のマンションで充電器を安価に設置できるのか

記事の説明では、

充電設備には

  1. 200ボルトの電源
  2. 住人以外の不正使用を防ぐ仕組み作り

が必要である

(日経新聞 2011年1月23日(水曜日) 夕刊)

とのことであり、新たに200ボルトを供給する電力システムと、充電設備の利用を鍵などを使って制限する仕組みが必要になります。
舗装された平置き駐車場の場合、後から付けるとすると舗装の上に電線をはわせガードするようにすればできそうな気がします。しかし、機械式駐車場ではどうなるでしょうか。自動車を入れるかごが上下したり回転する仕組みの機械式駐車場では、充電設備をどのように付けるのでしょうか。機械式駐車場の設備そのものを入れ替えないといけないかもしれません。
既設のマンションで充電設備に対応するのは意外と高額になるのではないかという懸念があります。

電気自動車への対応はどうしていくべきか

電気自動車が普及してくれば、充電設備の要求は必然的に高まってくるに違いありません。しかし、一方で車の所有台数の減少は、駐車場使用料がひとつの収入源となっている分譲マンションの管理組合にとって悩ましい事態です。

同記事によると、電気自動車によるカーシェアリングを導入する物件もあるようです。最近の若い世代が車を所有しなくなっている現状では、将来さらに減っていくと考えられます。実際、駐車場の利用者が減ったため、高額な機械式駐車場の保守費を支払わなくてすむように、機械式駐車場をあきらめ入居世帯数100%の駐車場数を確保しなくなったマンションの事例もあるくらいです。

電気自動車の充電設備を導入するかどうかは、

  • 各マンションの駐車場利用率
  • 電気自動車の普及度
  • 充電器の社会インフラ化の程度(どのくらい一般的になったか)

を見ながら判断をしていく必要があるだろうと思います。

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マンション修繕積立金上昇の危険性の測り方

2010-12-13 / マンション管理 / 0 Comments

いよいよ修繕積立金値上げの提案

マンションの維持のため居住者は管理費と修繕積立金を支払っています。修繕積立金の値上げをしても、管理費の値上げをしても、居住者の負担は増えます。

マンションを販売するとき、販売業者の意向で管理費と修繕積立金は割と安めに設定されていることが多く、のちのち値上げしなければならない事態に遭遇します。

我がマンションもその例に漏れず、値上げが必要な時期に来ています。建物が老朽化すればするほど修繕費はかさみますので、徴収する管理費と修繕積立金が上昇していくのが通常の提案となります。

下図はそれを示したものです。

居住者の世帯平均収入で見る値上げの危険度

修繕積立金を値上げしないと修繕費がまかなえないことはわかりました。だからといって必要な額だけ値上げをすればいいというものではありません。マンションができたての時は、居住者は若く支払い能力もありますが、いずれマンションの住民は高齢化して、収入は年金に頼るなど減ることは目に見えています。

支払い能力がどのくらい落ちるのか、それを見える化する方法を考えてみました。
それは、マンション全世帯の世帯主年齢の分布図を作り、マンションの平均収入を算出するというものです。各世帯の平均年収は、「国税庁 平成21年 民間給与実態統計調査結果」から年齢ごとに平均年収を割り当てていくことにしました。60歳以上は年金受給者として年200万円の収入があるものとしました。

これを現在と20年後で作ってみたのが下図です。

現在よりも23%も収入が減るという試算になりました。これは、今の住人が誰も出て行かないという前提に立ったものですが、今後はデフレ等の時代背景のため、新しい不動産を購入して転居していく人は、以前ほど多くないだろうと予想されます。

我がマンションの例では、20年後には世帯平均年収に占める、管理費と修繕積立金の割合が12%を越える事態となります。20年後であればまだ住宅ローンを支払っている人もいます。

住宅ローンは収入における支払いの割合が20%〜25%が適正な範囲

と言われています。現在はその範囲に合ったとしても、将来収入が減れば比率は高まり、危険度も上昇します。さらに追い打ちをかけるのが、この管理費と修繕積立金の値上げなのです。両方合わせたら、30%ははるかに超えて40%にも及ぶ世帯も出てくるものと考えられます。

もし、住宅ローンの支払いが滞れば裁判所に差し押さえられることにもなりますし、管理費や修繕積立金が払えなければ、そのマンションに居続けることができるかわからなくなります。いずれにしても、支払いできない人が増え居住者が減っていく、という事態になれば、マンション全体としては大きな問題となります。

そういう事態を防ぐためには、上記の試算からいくらぐらいの管理費と修繕積立金に抑えなければならないかを逆算して、マンション全体の支出を減らしていけばよいと考えられます。

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